ワインに賞味期限表示がない理由
ワインのラベルには、ワインの名前や製造元、ブドウの収穫年、原産地呼称制度、格付け、アルコール度数などの詳しい情報が書かれています。
でも、 賞味期限は書かれていませんよね。デリケートなお酒で、保存方法にも気をつけないといけないはずなのに、なぜ書いてないのだろう?と不思議に感じたことはありませんか?
実は一般的なワインには、食品衛生法で定められた賞味期限を表示する必要がないんです。これは日本国内に限った話ではなく、海外でも同じで、ワインに賞味期限は記載されていません。
赤ワインでも白ワインでも、ブドウ品種や醸造方法の違いなど様々な要因が絡み合って、飲み頃が異なります。
もともと長期熟成タイプなのか早飲みタイプなのか、どんな保存状態だったかによっても大きく違ってきます。なので、一律で賞味期限を記載するのが難しいのです。
未開封ワインの種類ごとの賞味期限目安
ワインは、飲み頃を過ぎるとだんだんと酸化が進んでいくお酒です。保管状態が悪ければ、腐ることはなくても味わいが劣化してしまいます。酸化すると、酸っぱくなります。そして、ワインの色は、やや茶色がかった色になって、コルク栓からもカビのような臭いがしてくることもあります。
ヴィンテージワインは、年月が経つほど価値が上がると思われがちですが、ただ単に古ければ良いのではないんですね。
理由はともかく、結果として「飲み頃を過ぎたワイン」は風味が落ちてしまいます。
未開封で最適な保存状態であればという条件付きですが、ブドウの収穫年の記載があるワインのタイプ別の飲み頃の目安は、このような感じです。
● 軽めの白ワイン、ロゼワイン … 1年~2年
● 軽めの赤ワイン … 1年~3年
● ややコクのある白、ロゼ … 2年~5年
● ややコクのある赤 … 2年~8年
● コクのある白 … 3年~15年
● コクのある赤 … 3年~50年
● 貴腐ワイン … 3年~80年
あくまでも目安ですので、実際にはこれよりももっと長く熟成に耐えられる、寿命の長いワインもあります。そういった熟成のポテンシャルの高い、コクのあるタイプのワインを丁寧にじっくり熟成して楽しむには、やはりワインセラーでの保存が欠かせません。
1000円前後で買える手頃な価格のテーブルワインの場合は、既に飲み頃を迎えた状態で販売されていることがほとんどです。もともと熟成してから飲むようには造られていません。なので、購入してからすぐに飲むのがおすすめです。
また、酸化防止剤無添加のワインは、添加されているワインよりも酸化しやすいので、開栓した後はなるべく早く飲みきりましょう。飲みきれそうにない時は、小さい瓶などに移し替えて冷蔵庫に入れておくのが安心です。
開封後ワインの種類ごとの賞味期限目安
ワインは、いったん開栓すると、急速に酸化が進みます。開栓後のワインは基本的に冷蔵庫で、ボトルを立てて保管してください。特にアルコール度数の低いワインや、軽めの白ワインは、開栓後にうっかり常温で放置していると傷んでしまうので要注意です。
重めの赤ワインなら、真夏でなければ常温でも大きく劣化することはないですが、念のため冷蔵庫で保管しておきましょう。私は、赤ワインの場合、飲む少し前に冷蔵庫から出して常温に戻しておくことが多いですが、ちょうど良い感じになるのでおすすめです。
開栓したワインの保存可能な期間は、ワインの種類によって異なります。軽めの白ワインやロゼワイン、スパークリングワインなら、1~2日程度。コクのある白ワインの場合は、2~3日程度。赤ワインだと、4~5日程度が目安です。
高級な赤ワインの場合や、ワインがボトルの半分以上残っている場合は、概ね1週間程度と考えてください。糖度の高い甘口の白ワインの場合は、2週間程度は大丈夫なものもあります。
料理の隠し味になるワイン塩の作り方はこちらで紹介しています。
まとめ
ワインには明確な賞味期限はなく、基本的に腐るということはありませんが、原料となるブドウの産地や品種、醸造方法、ワインの保存状態などによっても飲み頃が異なります。
ワインが本来持っている美味しさ、魅力を存分に味わい尽くすには、ワインに適した条件で保管することが重要なポイント。より良い状態のワインを味わうための参考にしてくださいね。